鶴屋さんの印象

キョン鶴屋さんをどう表現しているのかをまとめてみようと、ふと思いました。やってみます。なんか書かないと引用の要件を満たせないのでいろいろ書きます。ただ書いてるだけ。ごめんね。やっとこさ「憤慨」まで処理できました。「陰謀」を再読して萌え狂っちゃったので、申し訳ない部分もあります。いやホントすまん。
以下本文



出版順では初登場となるこの作品からどうぞ

涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)

長い髪の毛をさらりと垂らし、彼女は長身を伸ばして俺に笑顔を降り注いだ。

トレードマークの笑顔と超ロン毛を携えて鶴屋さん初登場。長身、って表現は朝比奈みくると比べてってことでしょうね。

元気よくおっしゃるその女性は、鶴屋さんと言って、朝比奈さんのクラスメイトだ。朝比奈さん曰く「この時代で出来たお友達」だそうだから、この人には変なプロフはないと思う。

キョンの分析。ちょっと願望も入ってるように感じます。外面的な部分は誰よりも強烈なお人なので。

鶴屋さんは健康的な白い歯を惜しげもなく見せつけながら、(中略)矢継ぎ早に質問を浴びせてくる。

とにかくアクティブな鶴屋さん

せわしない人だった。

この時点ではSOS団メンバーそれぞれの呼称は「涼宮さん」「キョンくん」「有希ちゃん」「みくる」「一樹くん」です。人なつっこい印象がある鶴屋さんですが、距離感ありますね。

鶴屋さんは、俺のクラスのマヌケコンビに「やあっひさしぶりっ」とか言って、奴らにペコペコ頭を下げさせている。

鶴屋さんの先輩パワーが炸裂してます。光ってるなあ。

谷口と国木田がニッケル合金なんだとしたら鶴屋さんはプラチナだ。ロケット花火とアポロ11号くらいの違いは余裕であるね。

褒めてます褒めてます。

鶴屋さんのテンションも高かったが、ライトなマイルドハイテンションだ。ハルヒイカレたナチュラルハイとは一線を画していると言ってもいいだろう。まだしも鶴屋さんは常識世界の範疇に所属していると言える。

すげー褒めっぷり。デフォルトで神聖視している朝比奈みくるの友人、ということをふまえての表現なんだろうなあ、と思ったです。鶴屋さんの特長のひとつである「ハルヒに劣らないスペックを持ちながらも常識人」が提示されてる点がポイントですね。この時点では接触が少ないので「範疇に所属している」という緩い表現になってますけど。

鶴屋さんがしなやかな片腕を朝比奈さんの首に絡めた。

体格に関する表現では初出になるのかな。

(前略)横にいる鶴屋さんがケラッケラッ笑いながら

ここでの笑い声は「とわっはは!」。七色の笑い声です。

すかさず鶴屋さんが堪えていた笑い声を盛大に上げてケラケラと、

「これ何映画? っていうか映画なのっ? わはは、むっちゃ面白いよ!」

面白がっているのはあなた以外ではハルヒくらいみたいですけどね。

この場面でキョン鶴屋さんに対する朝比奈みくる準拠の神聖視がOFFになったような感じがあります。まだ「めがっさ」未使用。

ハルヒと脇役デコボコトリオは、ハンディの映像を見て何やら矯正を上げている……のは鶴屋さんだけか。

谷口、国木田と「トリオ」扱いに。

楽しんでいるとしか思えない鶴屋さんが猫型バスみたいな口をしながらウェイトレスににじり寄った。

朝比奈みくるを池に叩き込む場面での描写。鶴屋さんの悪乗り強烈だなあ。

ハルヒがザコキャラ認定するくらいだから、鶴屋さんは俺と同じ一般人のはずだけど。

どんどん表現がキツくなってきます。

なぜかノリノリの鶴屋さんは嬉しそうに、
「はーいっ。みなさーんっ、こっちでーす」
 先頭に立って旗を振っていた。

ちょっとあきれたような印象が。

集団の先陣を切って歩くハルヒ鶴屋さんは、いつの間にか意気投合したのか馬鹿デカい声でブライアン・アダムスの『18 till I die』のサビだけをリフレインして唄っていた。後を歩いている者として、一応の知り合いとして非常に恥ずかしい。

勘弁してください、って感じでしょうか。

声も大きな人だったが自宅もデカかった。いや、たぶんデカいんだと思う。

脅威のスケール、鶴屋家初登場。

鶴屋さんは朗らかかつ高らかに笑い声を上げると、そっから部屋を出て行った。

俺は考える。鶴屋さんは一般人で正しいんだろうな。こうまでハルヒと仲良しさんになれるのは常軌を逸した人間か人間以外の何かだと相場が決まっているのだが、どこかに波長の共通するものがあるのかもしれない。

鶴屋さんについて再度考察するキョン

教室にいたクラスメイトたちが残らず腰を浮かせるくらいにバカでかい声が響き渡り、俺が反射的にそちらを見ると、鶴屋さんが戸口から顔を覗かせていた。

2回会っただけだから、声だけではわからないんですね。

反対側の校舎まで聞こえそうな声でそう叫び

ここまでの表現を使うくらいですから、SOS団の誰よりも大声なんでしょうね。

ぺこりと頭を下げる朝比奈さんと、マンガのキャラみたいな口で笑っている鶴屋さんだった。

笑いのバリエーションには事欠きません。鶴屋さんはそういう人です。

さばさばと鶴屋さんは立ち去ろうとして、朝比奈さんもそれに従いかけ、しかしすぐに俺の許へと駆け戻った。鶴屋さんはそれを見ながらケロケロ笑い、立ち止まって待ちの姿勢。

鶴屋さんが常識人たるゆえんである、「空気を読む」能力を持つことがここでわかります。でもケロケロってどんな笑いなんだろ。

離れた場所で鶴屋さんがニヤニヤ笑いながら俺たちを眺めている。雛に巣立ちを促すツバメの親みたいな顔だった。何か誤解しているんじゃないだろうか。

ケロケロのあとはニヤニヤ。

鶴屋さんの特長たる三要素「先輩」、「オーバースペック」、「とにかく笑ってる」はすべて提示されてるんですがハルヒの悪ノリに共鳴しちゃってるせいか、非常に印象わるいです。あらためて読み直してみてビックリしました。

涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫)

朝比奈さんが連れてきた助っ人の二年生は鶴屋さんとおっしゃる、かつてのハルヒくらいに髪の長い元気な女の人で俺を見るなり
「キミがキョンくん? みくるからよっく聞いてるよっ。ふーん。へえーっ」
などと言って、朝比奈さんをなぜか慌てさせた。何を言われているんだろう、、俺。

時系列的には初登場となるこのお話。「かつてのハルヒくらいに髪の長い元気な女の人」ってのは興味深いなあ、なんて。

七番が放った三塁線強襲のあたりを鶴屋さんが軽快にすくい上げ矢のような送球、バッターランナーをアウトにして、やっとチェンジ。

鶴屋さんは8番サード。おいしいところを持っていくとこはさすが

長い髪を後ろで束ねた鶴屋さんがファールで粘っている。運動神経のいい人のようだったが、ついにキャッチャーフライを打ち上げて、バットでメットをこんこん叩きながら

「かつてのハルヒくらい髪の長い」女の人がポニテしてるのにほぼ無反応、ってのは面白い。ご指摘をいただきました。ポニテじゃないみたいです。うかつ。

妹と鶴屋さんは無邪気にも「すごいねーっ」などと感心している。

ホーミングモードでのホームランに対しての反応。わかっててやってるんだろうなあ、と思うと笑えます。

鶴屋さんの興味は今度は長門に向いたみたいで、「あなたが長門有希ちゃん? みくるからよっく聞いてるよっ」とか話しかけて黙々とBLTサンドを頬張る無口な下級生に無視されている。

これがSOS団に興味を持ったきっかけかも知れないと思いました。

言及も少ないし、ホントに間に合わせの人、って感じ。

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)

鶴屋さんが俺の手に古流武術系の技を施していた。(中略)声は笑っていたが目が菊一文字に真剣そのものだった。

鶴屋さんは俺を見据える。まるで知らない他人を見るように。

ホッとすることに鶴屋さんはいない。彼女は書道部ではなかったのだっけ。

本気で怖がられてますね、鶴屋さんキョンの対応がもうちょっとうまかったら、鶴屋さんは力になってくれる可能性があったと思いますが、実際あの状態ではそこまで頭も回らないだろうなあ、と。

そして鶴屋さんの表紙の「暴走」へ

涼宮ハルヒの暴走 (角川スニーカー文庫)

「うわっ、めちゃウマい。何これっ? はぐはぐ……ひょっとしてハルにゃん天才料理人?ぱくぱく……うひょー。ダシがいいよ、ダシがっ。がつがつ」
鶴屋さんである。この元気な声の主は黙々と食い続ける長門と張り合うように、いちいち雄叫びを上げながら箸を高速移動させて鍋の中身を自分の取り皿に運び込み

ハルヒに対する呼称「ハルにゃん」を初披露。運動能力、テンション、武力に加えて食欲もハルヒ並。さすが先輩。

ウケてくれたのはあなただけでしたよ鶴屋さん

気を使ってるのか素なのかわからないところも鶴屋さんクオリティ。

朝比奈さんがポツリと漏らした合宿の件を聞きつけた鶴屋さんが、ならばと言って申し出てくれたということらしい。

鶴屋さんから申し出た、というところがポイント。この人も「待つだけの女じゃない」んだなあ、なんて思いました。

「わお。ハルにゃん、三百六十五にあったこと全部覚えてんのっ?(略)」

よく見てみるとひどいこと言ってるような気がします(笑)

鶴屋さんは重そうなカバンを軽々と振り回しながら

パワーもすごいです。

鶴屋さんは「ゆえーいっ!」と片手を突き上げ

ギリギリ意味わかる、という鶴屋さんらしい発言(笑)

駅からそんなに離れておらず、近くのスキー場には歩いて行ける距離にあるという立地条件だけでもけっこうな値段になりそうだし、おまけに鶴屋さんはこぢんまりなどと本気で言ってるらしいが、それは彼女の自宅ある日本家屋と比べてのこぢんまり具合なので一般的な感性を代表して言わせてもらえば、夏に訪れた孤島の別荘と遜色ないデカさだった。いったい鶴屋家はどんな悪いことをしてここまで羽振りのいい建物を建てることができたのだろう。

キョンは「溜息」でも似たようなこと言ってます。

細かいことを気にしない鶴屋さんと鶴屋家の人々のおおらかな性格も何となくうかがえる話だった。

おとしつつ、持ち上げるのがキョンのいいところ。

ハルヒ鶴屋さんを褒め称える言葉を口にしながら笑いまくり、鶴屋さんも朗らかに笑い返している。

この話では鶴屋さんに対するハルヒの呼称が「溜息」での「鶴ちゃん」から「鶴屋さん」に変化してるんですが、この変化が名誉顧問就任以前なのか以後なのかが気になります。以後だったらハルヒが金につられて、みたいで印象悪いなあ、と。

ハルヒ的ラストスパート兼スパークのためには無駄に使える時間は一秒たりともないのだ。おまけに根っから元気なのは鶴屋さんもであり、ひょっとしたらハルヒ以上にハイな彼女との相乗効果で行動力までダブルになってる気もするね。

「消失」以後なのでふたりを見る目が温かいですね。「溜息」のころならもっとキツい表現使ってそう。

今は開放してるけど、と補足する鶴屋さんの言葉にはまるで嫌みなところがない。世の中にはこういう人も実際にいるのである。見栄えもよければ性格も金回りも家柄もいいという、もうどうしようもないようなお人がね。

鶴屋さん像が確定したひとこと。以後はだいたいこの印象で固定です。一気にずおーんと持ち上がってる印象ですが、キョンの妹への対応を見て人となりをつかんだのかな、と。子供の扱いにはうるさそうだし。

一方の朝比奈さんは元々才能があったのか、鶴屋さんがハイレベルなインストラクター的手腕を備えていたのか、ものの三十分でスキースキルを会得していた。

朝比奈みくるに一応敬意を払ってるのがキョンらしい気がします。鶴屋さんは教え上手っぽい印象ありますけど、どうなんだろ。

鶴屋さんと妹はまるで同年代の友人のように明るく笑いあいながらダルマにバケツをかぶせたり目鼻をつけたりとエンジョイしている。

キョンにこう思わす鶴屋さんはすごい気がします。

鶴屋さんはハキハキした歩調と口調で

鶴屋さんは爽やかにケラリと笑い、俺の耳元に口を寄せてきた。
「ねえキョンくんっ、話は変わるけどさっ」
なんすか、先輩。

作品中ではっきり「先輩」扱いするのはこれが最初。

「みくると長門ちゃんが普通とはちょっと違うなぁってことくらい、あたしにも見てりゃ解るよ。もちろんハルにゃんも普通の人じゃないよねっ」
俺はマジマジと鶴屋さんを観察し、その明るい顔に純粋な明るさのみを見出してから

先輩からさらに一歩進んだ存在感を示すのがこのセンテンス。

よほど俺のリアクション顔が面白かったのだろう、鶴屋さんは腹を押さえるようにしてケラケラと笑い声を上げた。

キョンの「気づいてたんですか?」に呼応するのがこのアクション。どんどん大物に。

……ハルヒ、もう準団員でも名誉顧問でもない。鶴屋さんも正式にスカウトしろ。もしかしたらこの人は俺より物わかりのいい的確な一般人を演じてくれるかもしれないぞ。

これが「陰謀」での大活躍につながるわけですね。ここでのこのやり取りがなければ、「陰謀」はどうなってたんだろうと考えると、これも規定事項だったのかも、なんて。

「でもさぁ」
鶴屋さんは目をキラキラさせて
「あん時の映画、文化祭のヤツだけどっ。ひょっとして、あれ、本当の話?」

あの映画見て笑いっぱなしだったんだろうなあ、鶴屋さん

「うへっ」
鶴屋さんは片目を閉じて俺に笑いかけた。その表情が語りかけるものを解読すると、「まっ、、そういうことにしとけばっ」という暗黙の了解が復号される。俺の勘繰りすぎかもしれないな。それ以上鶴屋さんは何も言うことなく、いつもの調子の鶴屋スマイルで一切の余計なコメントを発することはなかった。

古泉がハルヒを無理やりねじ伏せたときの鶴屋さんの反応。空気読みまくり。

鶴屋さんの特長が出揃ったエピソードでした。鶴屋さんの代名詞「めがっさ」「にょろ」は次巻『動揺」で登場します。
あくまで脇役でありながら、鶴屋さんらしさが光るエピソードですねー。
巻頭カラー口絵の「スタート」に長門有希が初登場するこの作品

涼宮ハルヒの動揺 (角川スニーカー文庫)


十メートル離れていても聞き間違えることのない大声と晴れやかな笑顔だった。こんなに明るく笑える人間は、迷惑なことを思いついたハルヒを除けば俺の知り合いではただ一人である。

「溜息」からあまり時間たってないはずですが、好感度がかなり変化している印象。キョンのテンションの上がりっぷりがよくわかります。

「どうだいっ。この衣装、めがっさ似合ってると思わないかなっ? どうにょろ?」
行列の横に身を乗り出した鶴屋さんは、俊敏に俺たちへと近寄ってきた。

めがっさです。にょろです。

鶴屋さんでこうなんだから、朝比奈さんを一目見るや否や気を失ってしまうかもしれんな。

朝比奈みくるの友達としての扱いですね。あくまでもみくるが頂点。

本当に嬉しそうに笑う人だ。(中略)鶴屋さんの笑顔を見ていたら不思議と俺まで愉快な気分になってくるからな。

鶴屋さんの笑顔に対する言及。微妙につきはなした感じなのが意味深。

部外者だよ。お前たちと同じ、困ったときの人数合わせゲストだ。ちょっとその割には、妙に前に出てくるお人だけどさ。

鶴屋さんのポジションに対する言及。この発言で鶴屋さんの立場というものが確定した、気がします。

グッドデザイン賞を差し上げたいくらいのウェイトレス衣装を着込んだ朝比奈さんと鶴屋さんとが並んで立ってると、もはや壮観さもここに極まれりといった感じで、おそらくだが天国とはこういう風景があちこちにあるような場所を指すんだと思うね。

まあおまけですが、これも鶴屋さん言及。

「みくるは食券のもぎり役なのさっ。あとは皿を下げる役と水注ぐ役ねっ。それしかさせてないよ! 蹴つまずいて焼きそばひっくり返しそうだからっ。人気者なのはよいことだよっ」
至言です、鶴屋さん

締めの一言ってことで。会話の末尾が「!」「?」「っ」の三パターンしかないのがこの人らしい。

朝比奈ミクルの冒険 Episode 00」にもちょろっと鶴屋さん出てますが、特筆すべきこともないので略で。

どんな相手でも初対面から十五秒で仲良くなってしまえる鶴屋さんである。おそらく朝比奈さんのクラスでもこんな感じなのだろうな。その二年のクラスにいる男子がうらやましくなってくるじゃないか。

仲良くなるのはすぐでしょうけど、そっからが長くかかりそうな気もしました。

タダ者ではなさそうな鶴屋さんも透視能力はなかった。タオルで目隠しされた彼女は実に見事に笑える自画像を作り上げて、全員の爆笑を誘い、完成品を見て自分でも死ぬほど笑い転げた。笑い袋でもここまで笑わんだろうね。

プロでもここまで笑えんだろね。

俺の福笑いは大笑いな結果に終わった。(中略)鶴屋さん、ちょっとあなた笑いすぎですが。

ここまで笑ってだいじょうぶなんでしょうか。腹筋割れてそうだな、鶴屋さん

何となくすべてにおいて鋭そうな気がする鶴屋さんは、お菓子のマスコットみたいに舌を出して斜め上に向けていた。それが考えるときのポーズなのか、ちょっと面白い顔のまま腕組みをして黙っている。

素でこういうことやってしまえるのが偉大。ツクリなのかもしれないですが。

鶴屋さんがケラリとした笑顔で

次節のハルヒの「カラリとした笑顔」と対です。鶴屋さんの笑顔表現はすごくバリエーションに飛んでます。

鶴屋さんが首をにゅるりと突き出した。

特別珍しい表現ではないですが、鶴屋さんらしい。

鶴屋さんがしないで欲しかった同調をして、ハルヒはよりいっそう調子に乗った。

煽るの好きなんですよね、鶴屋さん。こういう後先考えてるのかわからないところも魅力。

次は鶴屋ファンにはたまらない「陰謀」です。

isbn:4044292078X:title

しかしハルヒと同レベルのエネルギー源をどこかに隠し持つらしい鶴屋さん

くりかえし言及される鶴屋さんの尋常じゃない元気さについてですね。

感心するくらいにサバサバした歩き姿で、どうしたらあんな娘になるよう育てることができるのか、後学のためにも鶴屋さんのご両親に話をうかがいに行きたい。

鶴屋さんの幼少時代ってのもすごく興味ありますが、書かれることはないんだろうなあ。

何と言っても今までの知り合いを思い起こしてみると圧倒的に勘が鋭いのは女性陣のほうだった。ハルヒ鶴屋さんは少々鋭すぎるが。

一般的に女性の方が鋭いですよね。くどいほど鶴屋さんハルヒをセットにするのはキョンのデフォルト。

「(略)おそらくあの人なら何も訊かずに泊めてくれるでしょう」

朝比奈みくる以外だったらどうだったんだろう、なんて思いましたがどうでしょう。あ、でも必然性がないや。

カジュアルな普段着ふう和服を身にまとい、その上から厚い半纏を羽織っていて、長い髪は首の後ろで無造作にひっつめてある。古い日本家屋庭園にぴったりとはまり込む格好だった。

鶴屋さんも年齢的には「美少女」のカテに入るんですよね。ひたすらお姉さんっぽいとこをアピールしまくってるので忘れそうになります。

ふふーん、と鼻から抜ける笑い声を漏らし

笑いのバリエーションには事欠きません。

鶴屋さんの輝かしい瞳がキュッと細まった。

「輝かしい」ってとこがキョンの主観が現れてるように思えたので引用してみました。

「モチのロンさっ。解ってるよ」

モチのロンが初登場。「〜かいっ」とか「キミぃ」とかのちょっと年配っぽい鶴屋語の流れですね。なにげにツッコミ待ちの鶴屋語な気もします。

俺に向かって思わず心を射止められそうなウイングを放った。

その気になれば恋愛フィールドに降りてこられるスペックも持ってるのが鶴屋さん。オーバースペック過ぎ。

口全体で笑う笑顔は星明かりだけでも充分に明るい。

笑顔描写には力入ってます。

鶴屋さんは半纏の袖に手首を引っ込めて、かはは、と笑った。

かはは、はちょっと萌えにくい。でもこれも鶴屋さん

「(略)あの人たちはものげっついがんばってあっこにいるんだなぁって、そんだけで気持ちいいんだ。だいたいあたしには向いてないっさ!だったらあたしは自分にできる別のことをするよ!」
 ある意味ハルヒとは対極の思想だな。

わたしが鶴屋さんファンになった決定的一言です。だからわたしもこういうエントリ上げてるわけですね(笑)しかし「げっつい」ってのも独特だなあ。

何のてらいもない笑顔と声だった。この人は本心から出る言葉を発している。そばにいるだけで何だか俺まで楽しくなってくるような空気がにじみ出ていた。

ハルヒと同様の「人間発電所」描写ですね。ふと思いましたが、クラスメイトから見た鶴屋さん評ってどんなんだろうか。うざっ、って思ってる人もいると思うのですが。

邪気の欠片もない子供のような笑い声に、俺はこの愉快な先輩の言葉を冗談のように感じていた。

常識人扱いの鶴屋さんですが、たまに突き抜けちゃうところもまた味。

「ま、みくるだけはちゃんとフォローしてやってよね! でも、おいたをしちゃダメにょろよ。そんだけは禁止さ! おいたならハルにゃんにやっちゃえばいいっさ! 勘だけど、うん、許してくれると思うよ!」

朝比奈みくるに関する考察でよく引き合いに出される鶴屋さんの発言。「勘だけどい」ってのはどこまでにかかってるんですかねえ。

いったいあの鶴屋さんとはどういう人なんだ。全部解ってるようで、俺たちから微妙な距離を保ってる、あの明るい先輩女子は。

古泉に聞いてます。古泉は全部わかってんのかな。

鶴屋さん、、あなた……。今まで俺たちはとんでもない人と親しげに口をきいていたようだ。心の底から知りたい。何者なんだ。

古泉の「鶴屋家の次期党首になる方ですよ」に呼応する表現。存在感が1割り増しに。

いつも元気でにこやかで鋭い洞察力を持つ朝比奈さんの友達。SOS団の名誉顧問。そのあたりが一番おさまりがいいんだろうな。

この時点での結論ですね。

まったくこういうところも便利な鶴屋さんだ。打ち合わせを忘れていたのにこっちの思惑をすっきりと見通してくれている。将来は秘書になればとてつもない有能さを存分に発揮するんじゃないか。

朝比奈(みちる)との連絡について、使用人に言い含めておいてくれた鶴屋さんへの感謝の念。

機関銃のように喋る鶴屋さん

寝言でも機関銃なのかな、鶴屋さん

感涙してもいい申し出だが、本気でないのは彼女の顔を見れば解る。ハルヒは冗談のようで本気なことを言い、鶴屋さんは本気のような顔で冗談を言うのだ。

鶴屋さんのいたずら話も1エピソードで見てみたいです。ちゅうかハルヒにプッシュかませるのはキョン鶴屋さんしかいないので恋愛話あたりでもひと働きしてくれそうな予感が。

鶴屋さんはあっさり答え、ニカカと笑った。

鶴屋さん笑いシリーズ。

鶴屋さんは片目を閉じて嬉々とした笑顔を俺に向け、

朝比奈みくるの「禁則事項」スマイルっぽい笑顔、ということでいいんですよね。見てみたいなあ。

今からでも押し入って風呂をよばれようかとも思うくらい、何やらうら寂しい感覚に覆われる。これも鶴屋さん効果だろうか。賑やかな人の側から離れて一人になると途端に祭りが終わった気分になるというような……。一人人間カーニバルだな。

これもひとつの癒しのかたち。時間ネタでおろおろしているときだったので癒し効果も絶大だったと予想されます。

鶴屋さんのデマカセにはしたを巻くしかねえな。このクソ寒い冬の夜、しかも雨の中を、さらに猫を連れて散歩するやつなんて聞いたこともないぞ。

鶴屋さんならではのデマカセというか。こういういたずら心にたまらなく惹かれます。

だが、文字の方は読めなかった。にょろにょろした仮名書きらしいとは解るのだが、

「にょろ」があったので引用しておきました。

大声まきまき鶴屋さんが、今にもハルヒと肩を組んでラインダンスを踊らんばかりの笑顔でやって来た。

「大声まきまき」っておもろい表現だなあ、と。

鶴屋さんは過剰なまでに大らかな声を出し

家デカいから声デカくなるのは仕方ないですよね。いや、そうでもないか。

必要以上に関わらないようにしていると鶴屋さんは言い、古泉がなくてもよさそうな裏設定を教えてくれたりもした。だとしても――だとしたらだ、どうも彼女の行動は把握しにくい。草野球の助っ人や冬合宿のペンション提供はこっちから依頼したようなもんだが、わざわざ宝の地図なんてエサをハルヒに与えるなんて、、まるで俺たちと積極的な関わり合いを持とうとしているかのようだ。ひょっとして、ハルヒが希望しそうなアイテムを投げ込むだけ投げ込んで面白がってるだけなんだろうか。

鶴屋さんの真意ってのは最後までわからないような気も。古泉みたいに自滅するタイプでもなさそうですからね。

鶴屋さんは古泉や長門、朝比奈さんの正体について詳しく知っているわけではなさそうで、この三人――とハルヒ――が何か違うなと気づきつつ、詮索しようとしないのが鶴屋スタイルだ。

面白いからそれでええやん、ってのは大人っぽいというか。キョンに気を使ってるだけなのかもしれませんが。

鶴屋さんはケラケラ笑いながら注進してくれて

鶴屋さん笑いシリーズ。

鶴屋さんの先祖(庄屋だか問屋だかだったらしい)

らしいです。

それにしても鶴屋さんには感心させられる。ハルヒや朝比奈さんとの掛け合いを見ていると、自宅に朝比奈さんのそっくりさんか双子の妹かドッペルゲンガーがいるなんて素振りは一切見せず、本当にそのままの鶴屋さんだ。何と頼りになる先輩だろう。

慕ってますよね、キョン。これが鶴屋さんの実力だっ。

俺は後ろにいた鶴屋さんの猫笑いにぶつかった。

鶴屋さん笑いシリーズ。

思わずにじり寄って抱きしめたくなったが、やっぱり俺はそんなことをしない。鶴屋さんから釘を刺されていることもあるしさ。俺の心情的にも、おいたはダメだね。

鶴屋さんプロテクトはしっかり機能してます。さすが。

ニコニコ顔が逆に怪しい。この人、隙間から中を覗いていたんじゃないだろうな。よかったよ、おいたをしなくて。この気のいい女子先輩にボコられるのは本気じゃないからさ。

見てたんでしょう(笑) こういうベタなとこも鶴屋さん

鶴屋家は太平の世から現代まで生き残って今でも繁栄しているって話だが、時代の変遷とともにいざというときだってあったろう。祖先が残した埋蔵金なんて、とっくに掘り起こしてつかっちまってるんじゃねえか? きっとこの宝の地図とやらは昔の鶴屋家当主が残した落書きか、もしくは子孫へ向けた壮大なジョークなんだ。さんざんな苦労をして地中から引っ張り出し、入ってたのが「ハズレで候」なんて書いた紙オンリーである確率のほうがたかいと俺は踏んでいる。なんせあの鶴屋さんの祖先だ、そんくらいのことは暇つぶしにやってそうだ。鶴屋さんだってそう言ってた。だから宝の地図をやすやすとハルヒに譲渡したんだろう。鶴屋さんがその当主の立場ならそんなことをやりそうだしな。そして、未来の誰かが四苦八苦しているのを想像しながらフフフとか笑っていたりするのだ。

キョンはこう思ってるみたいですが、ホントのとこはどうなのだろう。個人的には鶴屋さんの性格は自分で作り上げたものなんじゃないかな、と思うのですが。

鶴屋さんがどこで何してんのか、あまり深く突っ込まないほうがいいような気がする。

鶴屋さんがSOS団の事情に踏み込んでこないことに対する、キョンなりの誠意なんでしょうね。たんにビビってるだけかも知れませんが。

鶴屋さんのことだ。俺の言いたいことなど一瞬で見抜く。期待しておこう。

期待にしっかりこたえてくれるのが鶴屋さんクオリティ。

鶴屋さんが好みそうなロングコートにショールを巻きつけた小柄な姿

朝比奈みくるの服装について。

人間、持つべきものは信頼できる先輩だ。

長門有希とはまた違った信頼のかたちですね。いや、同じなのかも。

星空の下でも明るいオーラを放つこと丸出しの和装娘さんが門を開け、自転車ごとお邪魔するのは鶴屋邸に決まっていた。

丸出し、ってのがキョン鶴屋さん評っぽいと思いつつ、なんかひどいような気も(笑)

くったくなく喋る鶴屋さんは、対亀戦の長距離競技で本気を出す気になったウサギのような歩き方で

飛び跳ねてるっつーことですよね。夜なのにげんげん元気。

鶴屋さんはくしゃりとした笑顔で

ぱっと調べた限り、あまり笑顔には使われない表現みたいですが、そこは鶴屋さんなのでこういう表現もアリ。

鶴屋さんはスマートな胸をドンと叩いて

笑いすぎで胸の筋肉が引き締まってるわけですね。

鶴屋家のお茶は部室で味わうものより高級な風味がする。俺が持ってきた亀について必要以上の質問をしてこない鶴屋さんの配慮がありがたい。

朝比奈みくるとお茶の話をしたりしてるんですかね。

鶴屋さんは言わなくても解ってくれるでしょうが

ちょっと甘えてるような感もある表現ですね。そこまでさせた鶴屋さんがえらい。

鶴屋さんは俺のネクタイを引っ張るように階段を駆け上がり、最上階のさらに上、屋上に出るドアの手間で足を止めた。かつてハルヒが俺を連れて行った薄暗い踊り場である。

オーパーツ発見翌日の鶴屋さんの行動。こういうシンクロをかませるのも鶴屋さんのキャラクターあってこそ。

俺を試すような笑みで、鶴屋さんは胸元から写真の束を出してきた。

胸元!いや単純に胸ポケットからなんでしょうが、ちょっと妄想してしまいます(笑)「今日の鶴屋さん」を連想しました。

キョンくんはどっちだと思う? 未来人か宇宙人だったら、どっちがいい?」
邪気のない上級生は、さらにこんなことまで言って俺を無言にさせた。
「そろそろ決めといたほうがいいかもにょろよっ!」

決めっ! 鶴屋砲ですね。

鶴屋印の壺から出てきた謎のオーパーツは鶴屋家が厳重に保管してくれることになった。鶴屋さんが確約してくれたのだから安心だ。間違いなくそうしてくれるだろう。

信頼から絆っぽいとこまできてる気がします。

無言で部室扉を指した俺にニッカリ笑いかけ、鶴屋さんは自分の家の冷蔵庫を開けるような気安さでノブを回した。

この場面での鶴屋さんの呼びかけは「やっぽー」。アクションはベタですが、言語表現はオリジナリティありまくりなのが鶴屋さんの味。こういう身近なとこで遊んでるとこが、自分としてはとても共感できるなあ、と。

朝比奈さんのあたふたした声と鶴屋さん童女みたいな笑い声を聞きながら、俺は廊下に座り込んだ。朝比奈さんの生き別れの妹に貸したはずの服を、どうして朝比奈さん本人が着てこんなところにいるのかなんて、鶴屋さんにとってはどうてもいいことだろう。あんな説明になんの効能もないのは俺も彼女もよく解っている。それでもまったく気にしないのが鶴屋さんの偉大なところだった。一生頭が上がりそうにないな。

最後の一文がすべてですね。

ハルヒとハイタッチをかわすと、最初から最後までまったく目線を泳がすことなく立ち去った。朝比奈さんのことも昼休みのこともるでなかったかのような日常ぶりだ。ありゃあ真似できそうにない。大物過ぎる。あの人がいる限り鶴屋家は安泰だ。

演技なのかも、と思いましたが映画ではまったく演技できてなかったですから、素で大物なんでしょうね。まさしく「大物過ぎる」。

ハルヒ世界唯一の縦軸(先輩ってことね)としての役割を完全に確立したなあ、って感じでした。再読して改めて自分は鶴屋さん好きなんだなあ、と実感できました。

最後は現時点では最新単行本の「憤慨」です。

涼宮ハルヒの憤慨 (角川スニーカー文庫)


職員室から出てきた髪の長いお方と鉢合わせすることになった。朝比奈さんのクラスメイトにしてSOS団名誉顧問、ついでにタダ者でないことも今や明確な二年生女子である。
誰に上げる頭があったとしても、この人だけは下がっちまう。

主要キャスト中、最高の評価ですよね。素直じゃないキョンにもここまで言わしめてしまうという。

ハルヒと甲乙つけがたい溌剌とした歩き方で近寄った鶴屋さんは、のけぞる俺の耳元に口を寄せてきた。

先輩に対して「甲乙つけがたい」ってとこにハルヒが好きでたまらないキョンの本心があるようなないような。単に事実を述べてるだけなのかも知れないなあ、とも思いつつ。

至近距離にある鶴屋さんの笑顔には、多少のシリアススパイスがきいていた。何があっても楽天的なゲラ笑いを忘れないこのお方のものとしては見慣れない表情だ。何か知らんが弁解する必要に駆られる。

鶴屋さんハルヒが使う「追い詰めスマイル」が使えるんですよね。さすが。

俺の知らざる情報でも彼女なら既知のものとしているかもしれない。

なんとなく長門有希と同じような信頼を感じるような。勘の鋭さはたびたび言及されてることですし、学園パートでは鶴屋さんが出張るようになるのかも、と期待を込めて。

相も変わらず、こちらが何も言っていないのに確信をついてくるお人である。そのあたりはハルヒに匹敵する発想力の持ち主だ。ハルヒとコンビネーションを組んで同等の威力を発揮できる唯一の北高生だろうな。迷惑団長と違うのは、まだ一般常識をわすれさっていないということころにある。
しかし、この薄そうな壁と扉から察するに鶴屋さんの最後の一声は内部に筒抜けだと考えていい。彼女のこういうところにハルヒ的な振る舞いが潜んでいるのだが。

遊んでますねー、鶴屋さん。こういうとこ大好きです。

もしかしたらハルヒ以上に何ても器用にこなす上級生は

あくまでも「もしかしたら」なんですよね。両者を知ってる朝比奈みくるとか古泉一樹の評価はどうなのかな。

薄々思っていたが、改めて実感する。ひょっとしたら天才なんじゃないか? あの

家柄もあるので、教育環境の良さってのもありそうなんですがどうなんでしょうか。

SOS団の文芸誌でクリエイターとしてもオーバースペックなことを露呈(わざと誤用)した鶴屋さんですが、ホントこれからどうなるんでしょうか。ほんとにわかりやすく「頼りになる先輩」な人です。



とりあえずこんなんで。今はこんなんですけど、気が向いたらちゃんとしたものにしたいと思ってます。